

石岡 千加史 教授
化学療法センターは、質・安全性が高い標準化された入院および外来化学療法を提供するための組織です。平成16年4月からスタートした外来化学療法センターを平成17年度組織拡張し、外来および入院化学療法のマネージメントを担当しています。
診療支援システムから事前登録された院内の全ての抗がん剤治療プロトコールは、化学療法プロトコール審査委員会が審査・承認し、医学的薬学的なエビデンスレベルが高くより安全な治療を提供しています。化学療法のオーダーは端末から登録・承認されたプロトコールを選択する方式を採用、体表面積に合わせた投与量、投与スケジュール管理が行われています。調剤は全て薬剤部が担当し、特に外来化学療法については薬剤師4~5名によって運営される専用調剤室、専任看護師9名が看護する30床の外来化学療法室で毎月約600名以上(延べ数)の患者様の治療を担当しています。
医師、看護師、薬剤師、クラーク、メディカルITセンターが一体となったチーム医療を目指して、
インフォームド・コンセント、副作用情報とその対策、患者の抗がん剤に関する治療費説明などに取り組むほか、
緩和医療部、地域医療連携センター、WOCセンター、NSTなどと連携して患者様の支援に努めております。また、がん診療連携拠点病院の研修施設として、チーム医療型がん薬物療法研修を定期的に開催しています。

薬剤部長 眞野成康 教授
有効で安全な化学療法の実現に向けて
薬剤部では、患者様に有効で安全な医療を受けていただくために、がん化学療法に積極的に関与しています。化学療法における薬剤師の役割は、治療計画(化学療法プロトコール)の効果や安全性が医学的・薬学的に十分な根拠に基づいて立証されていることを、医師・看護師と共に審査し確認するところから始まります。その中から一人ひとりの患者様に最適な治療法を選択し、化学療法を実施しています。
薬剤師による患者様への治療準備は、前日から始まります。まず、患者様毎の注射処方を化学療法プロトコールと照らし合わせ、患者様の基本情報(体重、体表面積、臨床検査値、アレルギー歴等)を基に処方薬剤の投与量を確認します。さらに、患者様の過去2ヶ月間の内服剤・外用剤・注射剤などの全ての処方薬(薬歴)を確認し、正しい投与スケジュールに基づいた治療であることや、薬の飲み合わせによる副作用についても十分に確認したうえで、必要な薬剤を取り揃えます。
治療当日には、患者様の当日の臨床検査値に基づく投与量変更の有無を確認した後、注射剤の混合調製を開始いたします。抗がん剤の調製は、品質および無菌性を保つために、クリーンルーム内で行います。現在、化学療法センターをご利用頂く月平均延べ600名を超える患者様の注射剤混合調製は、適切でかつ厳重に管理された環境のもとで薬剤師が行っています。
薬剤部では、がん薬物療法認定薬剤師を中心に、より一層の治療効果の向上と副作用の回避に向け、お薬の効果と副作用および注意事項の説明を行っています。患者様との対話を通して、治療に対する不安を少しでも解消し、安心して化学療法を受けていただけるように、これからもより一層努力してまいります。

大桐 規子 看護師長
化学療法センターの看護師は8名の専任(がん化学療法看護認定看護師1名を含む)体制で、患者様が『安心して治療を受けられる、治療時間中安楽に過ごすことができる、副作用や日常生活の不安が解決する、在宅治療の場合セルフケアが確実にできる』ことを目標にケアにあたっています。
外来化学療法を受ける患者様が安心して治療に臨むことができるよう、初めての治療時はもちろん、前もって入院中から化学療法センター利用のオリエンテーションを行っています。これにより患者様の不安を少しでも和らげ、看護師にとっても患者様の理解を深め、信頼関係を築く第一歩となっています。
投与にあたっては、常に医師・薬剤師とコンタクトをとり、情報を共有してリスクの芽を摘み、何重にもチェックする仕組みを経て、薬剤を投与しています。
投与中特に注意を要する薬剤アレルギーや血管外漏出の早期発見のため、頻繁に観察を行い対応しています。
また患者様と自宅での体調について『体調管理ノート』を通して確認し、副作用の予防や日常生活上の注意などを情報提供してセルフケアに役立てていただいています。
化学療法室での患者様は、ベッドやいすで読書、テレビ、音楽を聴いたり、ご家族と談笑されたり、軽食をとられたり、あるいは休まれながら思い思いの治療時間を過ごされています。時には、心の迷い、仕事や家族のこと等々の思いを話されたり、相談されることもあり、患者様の心配や不安が少しでも軽くなるようなかかわりを心がけています。
これからも私たちは、患者様は日常生活や仕事を調整しいろいろな思いを抱えながら通院して来られることをいつも念頭におき、安心して快適に治療を受けていただけるよう看護に取り組んでいきたいと考えています。
| 平成16年4月 | 外来化学療法センター開設 |
| 目的 1.患者様サービスの向上(快適な空間での化学療法の提供) | |
| 2.安全な外来化学療法の提供 | |
| スタッフ:センター長・副(兼務医師2名)、専任薬剤師1名、専任看護師2.5名 | |
| 設備:ベット12床(リクライニング5床) | |
| 平成17年3月 | 外来化学療法支援システム運用開始 |
| 平成17年5月 | 「化学療法センター」として改組 |
| 院内で行われるすべてのがん化学療法について管理する施設としての位置づけ | |
| 平成17年6月 | 化学療法事務局を薬剤部に設置 |
| 化学療法プロトコール審査委員会の設置・開催 | |
| 院内すべての、化学療法プロトコールに関する審査の開始 | |
| 平成18年9月 | 化学療法センター新病棟移転 |
| スタッフ:センター長・副(兼務医師2名)、薬剤師5名、 | |
| 看護師6名(がん化学療法認定看護師1名含む) | |
| 設備:ベット30床(リクライニング7床)、小児治療室1室(ベット1) | |
| 平成18年10月 | 新化学療法支援システム運用開始 |
| 外来・入院すべての化学療法をカバーし、一括管理を可能に | |
| 平成19年4月 | 化学療法センター専任助教配置 |
| 平成20年7月 | 東北大学病院がんセンター下部組織に移行 |
事務局組織
設置部署:薬剤部
事務局長:薬剤部長
事務局員:薬剤師2名
事務局の主な機能
①プロトコール審査委員会の運営
1)事前審査や本審査の運営実務
資料作成、委員招集
審査結果の通知、連絡窓口 等
2)プロトコール審査委員・WG名簿の管理、メーリングリストの管理
②化学療法プロトコールの登録及びデータ管理
本院で実施される各プロトコール(レジメン)の有効性・安全性について文献、
各種ガイドラインや研究計画書を基に審査し、より安全で質の高い化学療法の提供を目指すとともに、
化学療法の実地医療と臨床研究を行う診療科を支援します。
構成
医 師:
センター長 1名
診療科医師 5名
薬剤師 2名
看護師 1名(化学療法センター)
化学療法センター事務局 3名
化学療法プロトコール審査委員会名簿はこちらのリンクより御覧できます。
計 12名
審査基本方針
本院内で実施される全ての化学療法(抗悪性腫瘍薬を対象、実地医療としての医療のほかメーカーまたは医師主導の治験、医師の自主的臨床試験を含む)に関して、その質、安全性ならびに効率性の確保を目的に、医学的・薬学的エビデンスに基づいて審査するものである。


化学療法センターは、患者様が通院で抗がん剤治療を行うところです。
化学療法室の看護師は、自宅で生活をしながら化学療法を受けている患者様に、安全で正確に治療を受けられる快適な環境の提供を目指し、患者様が安心してセルフケアができるような支援を行っています。
インフューザーポンプを使用し在宅治療となる患者様を対象に、より理解していただくためDVDとパンフレットを使用してのセルフケア・自己抜針指導を行っています。
また、患者様の自宅でのセルフケアに役立てていただくために、体調が記録できる『体調管理ノート』を診察時に持参していただき体調を確認させていただいております。
そして治療時間が少しでも快適になるよう、室内はBGMや絵画、アロマセラピーを取り入れたり、必要な場合は安楽なベッドマットレスやクッション等も使用できるようにしています。
安全で安楽な治療の提供を目指し、これからも患者様やご家族とのコミュニケ―ションを大切にしていきたいと考えております。

化学療法センター(以下センター)では、医師、薬剤師、看護師、事務官などがチームを作って各々の専門性を生かして協力し合いながら安全で質の高い治療を患者様に提供できるように心がけています。この中で薬の専門家である薬剤師がセンターで行っている仕事を紹介致します。
化学療法は予め決められた投薬スケジュール(プロトコールといいます)に基づいて実施されますが、医師から処方を受けると、薬剤師はまず、その処方がこのプロトコールに合致しているか、また、患者様がその他の薬剤を服用している場合、都合の悪い薬剤の組み合わせがないかなどをチェックしています。チェックは万全を期すために二人の薬剤師が別々に確認しています。次に注射剤の調製に移りますが、調製の際は清潔さと安全性を確保するために手術着と無菌グローブを着用し、さらに安全キャビネットという専用の装置を用いて調製します。この時も必ず薬剤師2名が調製に関与するようにしています。
以上、簡単にセンターでの薬剤師の仕事を紹介しましたが、その他、プロトコールの審査、センター事務局として運営にも携わっています。
(文責:安田千賀)